「大丈夫ですって。なんなら、職員室に顔出します?図書委員の担当だった柿谷先生いるかもしれないですよ?」
「い、いや、大丈夫!」
柿谷先生とは、男の先生で、図書委員担当であり、わたしが中学3年の時の担任の先生でもあった。
ちなみに、中学の時からわたしと楓くんはずっと図書委員で一緒だった。
まさか、高校でも一緒になるとは思っていなかったけど。
「柿谷先生、雛乃先輩が卒業してから、さびしそうにしてましたよ?」
校舎の下駄箱で靴を脱いで、
廊下を歩きながら、楓くんが懐かしそうに話し出す。
「えぇ、わたしあの先生苦手だったもん。口うるさいし」
柿谷先生は、世話好きな人で、
口うるさい印象しかなかった。
いい先生なんだけど、なんかわたしとは合わないっていうか。
あんまり干渉しないでほしいとか思ってたしなぁ。
まあ、高校の進路のことでいろいろお世話になった先生でもあるけど。