しかし俺はチキンな中途半端は不良。略してパリョウなので自分のチャリを乗る。そして漕ぐ。漕ぐ。漕ぐ。

だけど手前のコンビニに差し掛かる曲がり道で人影に気付かずゴツン。

「きゃあ!」

や、やべえ。

女の子みたいだ。

「痛い……。」

な、泣いてる………。

「ごっごめんなさい!!!」

俺は自転車から降りて女の子に近付く。

「あ、大丈夫………。って安原くんじゃない。」

「えっ…。あっ日向。」

彼女は立ち上がってケツのあたりの砂をほろう。

日向紗織。同じクラスの女子。
可愛いけどなんか変わってて図書室で毎日文学少女やってるのに同じ補習クラスにいる変わってる奴。

「痛いけど安原くんなら許したげる。なんてったって補習クラスのよしみだし。」

や、優しい………。
変わってる奴なんて説明して悪かった。お前はいい奴だ。

「本当にごめんな………。」

「大丈夫。それよりも痛い失恋味わって来たから。」

舌を出して笑う。少女漫画か。

「失恋…!!!!実は俺もなんだ!先公の河崎に!」

「河崎先生!?…あたしは水越先生。」

「水越ぃ!?…ってこんな所で話してるのもなんだから移動しよっか!失恋話聞いてやるよ。」

「あ、ありがと…。」



そしてすぐそこの公園のベンチに座る。
辺りは少し暗いがベンチの近くに電灯があるしちょうどいい。