「ボエ~ボエボエボエ~」

「マキロスいい加減アニソンやめれ!」

「アニソンじゃない!これは電波ソングと言ってだなー」

良太とマキロスが電波ソングとやらについて語っている中俺は河崎紫穂について考えていた。

出逢いは4月、高校の入学式だった。

俺は会場の座席に座っていて教師どもを見渡していた。

高校の教師って若い奴も多いんだなあ。

「古典担当の水越です。新任なので皆さんと同じ新入生みたいな感じです。三年間宜しくお願いします。」

いわゆるエリート道中まっしぐらのイケメンってやつか。ったく嫌味くせーな。

とかひがみ根性剥き出しにしながら舌打ちをしていたら

「こらっ!真面目に聞きなさいっ!」

「うるっせーなー…」

このオバサンがと言おうとした瞬間に俺は息を飲んだ。

CMの「綺麗なお姉さんは好きですか?」ってな感じのイメージぴったりの女教師が目の前にいたからだ。

「…………。」

やべー、美人教師っているんだな。言葉も出ねえ。

「わかればよろしい。」

とくすっと笑って教師の座席に戻ったあいつはまるで花屋の綺麗なバラのようだった。