思いもかけない夜神の言葉にドクン、ドクン、と嫌な音が波打つ。




「それに田畑さんのこと、何とも思ってないし。」



「ーーっ!」




「もう田畑さんに必要以上に近づいたり、ちょっかいだしたりしないから。」




「そ……、そっ…か……。」



あたしは今にも消え入りそうな声でそう返事をする…。




また夜神との距離がひらいてしまった。



そして夜神はもうあたしを見てはくれない。




彼はあたしを“好きじゃない”。






でも実際、それを本人の口から言われるのは相当こたえる……。




今は智国くんの罵声よりも、夜神の私を突き放す言葉の方が痛い…!





……でも、今なら分かる。



この心の痛さと同じくらい、あたしは夜神のことが好きなんだって!



その思いが尻込みしていたあたしの背中を押してくれる…。




「それでも…、それでも来てくれて嬉しかった!ありがとう、夜神…。」



「……………っ。」




夜神の肩が微かに跳ねた気がした。



でもこっちを見てはくれない。





振り向いてくれなくても、



眼を合わせてくれなくても、



あたしには伝えたい事がある…!




言わなくちゃ。



素直になるって決めたんだから!