「やめてっ!!放して!」


「仲間内でも“夜神に女を取られた”って貶(けな)されて…、こんなんじゃ俺のメンツ丸つぶれなんだよ!!!」


と、さらに智国くんの手に力が加わり、彼の指があたしの肌にめり込んでいく……!!



「痛い!!やめてッ!!!」



本気で智国くんの手を振り払おうとした、




その時だった!





「おい。クソ野郎。」




え…………。




この声って………!





「あぁ!!?邪魔すんじゃイテテテテテテッッ!!!!」



痛みが急に遠のくのと同時に、智国くんの悲鳴が聞こえてきた!



あたしは智国くんから解放されて彼の方を振り向く……。



するとそこには智国くんの腕をひねり上げている夜神がいた!





夜神…!!




本当に…夜神なんだよね!?




「構わない」って言ってたのに、





来て…くれた…。




夜神はこれまでに見たこともないくらい恐い顔をして、智国くんを睨みつけていた。



「夜神てめぇー、放せよッ!!」


「放して欲しかったら、まず田畑さんに謝れ。」




………っ!




思ってもみなかった夜神の言葉に胸がトクンと鳴った。



「はぁ!?夜神、てめえには関係ねぇだろ!!!」


「関係なくねえよ。女が、ましてや好きな女が乱暴されるのを見て、頭にこねえ奴なんかいねぇダロ!!」


「なっ!?や、夜神、お前まさか二重人格…!?」


「は?お前ほどじゃねえし。…いつまでも田畑さんの彼氏ヅラしてんじゃねえよ!!!」


「イ”デデデデデデデッ!!」



智国くんの顔がさらに苦痛で歪んで、額には大粒の汗が…!




ま、まずい!



このままじゃ腕が折れちゃうっ!!