「俺のこと待ち伏せしてさ、一体何のつもりなわけ?」


「…………はい?」



待ち伏せ??


あたしが、智国くんを?!


どうしてそんな発想になるの??!



すると智国くんが、あたしが立っている真横の自転車を指差す。



「これ、俺のチャリ。分かっててやってるだろ?」


「え?!そうなの!?………あ、じゃああたし邪魔になっちゃうね!ごめんなさい。」


と、あたしはサッと横にずれる。



き、気まずすぎる……!!



向こうの方で夜神を待っていようかな?


そう思い直してあたしは歩き出そうとした。



しかし。




「なあ。もしかして、俺に文句を言いにわざわざ来たわけ?」


「…………………はい?!」


「麻莉奈だろ?あの会話聴いてたの。」


「え…?何のこと??」



何言ってるんだろ……、智国くん…。



訳が分からず戸惑っていると、痺れを切らしたのかイライラした調子で智国くんはこちらに言葉を投げてくる…!



「とぼけんなよ!夏休みのバーベキューの時、俺たちの話を盗み聞きしてただろ?!」


「え?話って…?」



「〜っ、だから!クラスで花火をやる前、俺たちが夜神とお前の話をしてた内容だよ!」



!!


バレてたんだ…!


でもあの時の状況は、“盗み聞き”というよりも、智国くん達の声が大きくて聴こえてきてしまっただけだと思うんだけど…。



と、そんなどうでもいい事を心の中でツッコミをいれてしまう。



とにかく弁解しなきゃっ。


「それは、聞く気はなかったんだけど、話の内容にちょっと驚いちゃって…。その場からなかなか動けなくなって、」