心の中でゆっくりと確かめるようにそう呟く。




『俺、田畑さんのこと好きだよ。』




ドキッ!




あたしは夜神を、




……好き。




「ーーーっ!!」



すると一気に胸が高鳴って、心が暖かく色づいていく……!



あんなに苦しくて辛くてイライラしていたのに、



今この瞬間、



これが恋なんだと自覚した!!




あたしは、夜神のこと好きなんだ……。



それなのに、夜神があんなにも『好き』をくれていたのに、


あたしは周りの風説や噂話に左右されて夜神自身をちゃんと見てあげられてなかった……。




最低だっ!!



あたし…!



夜神の屈託無い笑顔や意地悪するときの甘い顔、ちょっと寂しそうにいじけている顔、本気で怒った顔……。



色々な彼の表情が浮かんでは消える。



だけど、夜神はもうこっちを見てくれない。



その現実を突きつけられたようで、あたしは喉の奥が苦しいほど痛くなって熱いものを堪えるのに必死だった……。










ーーそれからしばらく時が流れて…。



夜神とはあいかわらず話をしていない。


話どころか目さえも合わせてくれない日々が続いていた。