「え、何……?きゃあ!!」


悲鳴をあげるのと同時にあたしは夜神に、側にあった樹木へと押し当てられる!!



「ちょっ、な、何してるの?!今すぐ退いて!!」


と、言葉を投げるとあたしは夜神の胸を両手で押した!




しかし。




ーーえ!?嘘!!



びくともしないっ!!?



普通ならこのくらいの力でいつも離れてくれるのに…!!



ぱっと夜神を見上げるとそこには冷たい表情をしていて、闇の中で浮かぶ顔は彫刻のように綺麗で、瞳は妖しく光っている…!




ど、どうしよう!



恐い……!!



「くっ……!」


あたしはさらに力を入れて押し返そうとする。


でも一向に夜神は離れてくれない!



それどころか徐々にあたしとの距離をつめてくる…!!




なんで!?


力で押し返せない!??



「田畑さんは力のことを気にしてるようだけど、男の俺からしたら全然か弱いし。」



そう言って顔を近づけてくる!



「離して!!」


「それに、いつ俺が他の女子に告(コク)ったって?その場面実際に見たことあるのかよ?」


「ちょっと待っ…!」


「何が選びたい放題だよ。田畑さんの恋をするっていうのは、人を選んでから恋するわけ?」


「〜っ夜神!もういい加減にして!!ふざけるのはやめてよ!!!」



必死の叫びだった。



だけど夜神は聴く耳をもってくれない!



「ふざけてるって誰が?じゃあ、自分でふざけてるかどうか確かめてみれば?」