「…………………。」


夜神は黙ったままじっとこっちを見ている。



そしてあたしとの微妙な距離を縮めようと一歩…さらに一歩…と近づいてきた…！




ーーーっ！



ど、どうしよう？！



なんだか凄い緊張する…！



草を踏む音が段々と大きくなってきて、確実に私へ近づいてきている。



智国くん達の話を聞いていた時も心臓が波打って頭の奥がかあっと熱くなってしまって、思わず恥ずかしくて逃げちゃったけど、


夜神はもっと、体の芯から熱くなって心音がダイレクトに聴こえてくる…！



「田畑さん。」


「…………！！」


ずっと下を向いてそんな事を考えていたら、あたしの数十センチ先に男物のシューズがあるのに気づいた！



夜神はあたしの正面に立つと、あたしの左手を掴んできた。


計らずもビクッと肩が跳ねてしまったあたし！



「……………………。」


「や、夜神……？あの、どうした…の……？」


「ねえ。今まであの男と会ってたの？」



え？あの男？？


夜神、何を言って……？



急に投げかけられた言葉の意味が分からず、あたしは夜神を見上げた。


そこには今まで見たことがないくらい、怖いくらいに真剣な表情の彼がいた！！


あたしは咄嗟に半歩後ろへ下がってしまう。



なんなの？


夜神、一体何が言いたいの？？



すると…。



「B組の杉木って奴、田畑さんと付き合ってたんでしょ？」



！！！


「な、なんで今そんな事を言うの！？」