「杉木って悪いヤツだよな〜。」


「でも田畑と半年も付き合ってたんだろ?そん時は、好き合ってたんじゃないのかよ?」


と、友達が面白半分に智国くんをからかうように訊いていた。



すると。




「ハッ?!お前ら馬鹿かよ?最終的にヤるのが目的に決まってんじゃん!思春期の男子なんてみんなそうだろ。」




ーーッ!!?




あたしは智国くんらしからぬ言動に、頭が真っ白になってしまう……!




続けて智国くんは言う。



「それに前にも言ったけど、あいつ見かけとは全然違くてさ、おしとやかで大人しいタイプかと思ったら超絶痛い妄想女でさぁ。少女漫画に憧れてて俺にそれ強要してくんの!」



アハハハハハッ!!!



笑い声が辺りにこだまする…。



そんな……。



あたし、強要……してたの?



ただ、『この漫画面白いよ!』って勧めてただけなのに……。




頭の中が白かったのが、段々恥ずかしさに染まってゆく……。



「あとお前らも見ただろ!?始業式でのあいつの異常な力!! “男をおんぶ” って…、男の俺でもとまどうのに、よくもまああんな大衆の面前でできるよな!!」



………………。



「俺の前ではか弱そうにしてたくせに!騙されて恥かいた被害者は、この俺だし!!」




……………だから、



振ったの?



その日にあたしを呼び出して。





一学期の始業式の日。


あたしは放課後、智国くんに呼び出された。



久しぶりに一緒に下校できるんだと楽しみにしていたのに、呼ばれた理由が、



『俺と別れてほしい。』


『麻莉奈は俺が思っていたイメージと違かった。』


というものだった。