「うーん…、聞いたというかB組の人達がいたから見て知ったんだけどね。」


「そっか…。」


瑠衣はひとつ息をつくと気遣うようにあたしに言った。



「今うちのクラスの子の大半がB組の方へ遊びに行ってるんだけど、もし麻莉奈がもう乗り気じゃないなら、帰っても大丈夫だと思うよ?私から幹事の子に話は通しておくし!」


と、暗に “智国くんと会わなくてもいいと思う。” というメッセージをあたしに伝えてきた。




瑠衣も、知ってるんだよね…。



あたしと智国くんの間に何があったのかを。




あたしはこれ以上、瑠衣に心配させまいと強がってみせる。



「ありがとう。でも全然、平気だよ。それにさっき会って会話してきたくらいだし。」


「え?!そうなんだ!!私てっきりまだ麻莉奈は踏ん切りがついていないんだとばかり思ってて……。」


「別れてまだ四カ月くらいしか経っていないから、多少は気まずいところもあるけれど……、でももう大丈夫だから。心配しないでね。」


「う、うん……。」


瑠衣はまだ言いたそうだったけれど、あたしの作り笑顔が痛々しかったのか、それ以上は何も言ってこなかった。




すると!





「たーばたさーーん。」



ぴとっと何かが私の頬に止まる!



「きゃっ!?…………ん?花火!?」



いつの間にか夜神があたしの真後ろに立っていて、あたしの頬に手持ち花火を当てていた…!



な、なんたる神出鬼没……!


瑠衣も振り返ってびっくりしている。



そんな夜神は飄々とした態度であたしに花火を渡してきた。



「これ田畑さんにあげるー!手持ち花火だって。B組の女の子達から大量に貰った〜。」