「いや、普通だから。そんなに驚かないで。」


あたしはそう言葉をかけると教室をスタスタと出て行こうとした。



「スゲー田畑ッ!!さすが怪力女!!!」


「ひぇー!田畑のおかげで、男の俺達の面目丸つぶれじゃん!!ハハハ!」


男子達の揶揄する声が教室中に響いてあたしはドアのところで歩みを止める。



「…そう思うのなら、さっさと言われた物を運び出しなさいよね。面目がたたないんでしょ?」




シー―――ン



ざわめきが一気に引いていくのを感じて、あたしはまた失態を犯してしまったと瞬時に悟る!



やっちゃった!また余計なことを言っちゃったよ…。


あんな茶化し、無視すればいいじゃない!



そう反省しつつ足早にあたしは教室を出て行った…。





ガラッ



「失礼します。先生、ノート持ってきました。」


汗を一切かかずにあたしは職員室に入ると、目標の先生二人にそれぞれノートを渡す。


「田畑?!まさか一人で持ってきたのか?!重くなかったのか?!誰も手伝ってくれなかったのか!??」


「川田先生。いえ。女子が手伝うと言ってくれたんですけど、そこまでのことではなかったので…。あと、授業で使った三角定規、ここに置いておきますね。」


とあたしは先生の足元に定規たちを置いた。