わけがわからず、ただ夜神を見つめる。


「田畑さんの特別に、俺はなれない?」



「ーーーっ!!?」



その言葉の意味を理解すると、思わず息を呑む!



え!?え!?え?!!



ちょ、ちょっと待って!?



なんなのさっきから!?



と、とと特別って、


もしかして夜神って本気であたしの事をっ!??




いやいやいや、……冷静になれ田畑麻莉奈!



軽くていい加減で、女の子なんて大勢寄ってくるモテ男が本当にあたしのことを好きだと思う?




ない!


絶対にあり得ないッ!!


ぐるぐると脳内でそんなひとり舞台を繰り広げていると……。



「田畑さん。俺のはなし聞いてる?」



その言葉にハッと我にかえるあたし!


すると夜神の指があたしの顎に添えられてクイッと上向きにされた。



「ちゃんと俺のこと、見て。田畑さんにもっと俺のこと知ってもらいたい。それで俺のことを好きになってもらいたい。」



ドキッ!



ち、近い!!



夜神の瞳に、あたしがくっきりと映っている!



それくらい夜神の顔が目と鼻の先にある…!!



「や、がみ!」


「逃げないでよ、田畑さん。ちゃんと俺だけを見てよ。」


「〜〜っみ、見てるよ!!ちゃんと今、この目で夜神だけを見てるでしょっ!?」



そう夜神に言い放つと夜神は納得したのか、あたしから手を離すと「なら、いいけどね〜。」とヘラっと笑ってみせた。