「ま、またそうやってからかうんだから!は、早く離れて!!」


「やだ。せっかく田畑さんが褒めてくれたのに、そんな簡単に離したくない。」


「っ!?し、知らないよそんなこと!勝手なこと言わないで!」


「もう少しこうしていたい…。ねぇ、いいでしょ?」



ちょっ!!?



ちょっとなんなの!?



前も思ったけど、どこから出してんのよ!




その声はっ!!



「良いわけないでしょっ!?はなれ…、」


「好き。」



!!?




甘ったるい声があたしの耳元で囁かれて、その瞬間ピリッと電気が背中まで走る!


屋根があるから日陰にはなっているけれど、30℃を超える真夏の暑さと夜神の体温のせいでのぼせちゃいそう……!!




それに、なんだろう?


気のせいかもしれないけど、いつもの抱きついてくる感じとは違うような…。


強引なところは同じだけど、何かが違う。



何かが胸に押し寄せてくるというか…。



その正体を考えあぐねていると、夜神が薄く唇を開く。



「大切だよ?田畑さんのこと。」


「………え?!」


「ハハッ。そんなに驚くようなこと?」



うっ。


今、とても下品な声を出してしまったかも……。



「さ、さあね!驚くんじゃないの?!普通の人は!」


「そっか〜。でもほんとだよ?誰にも渡したくないくらい、スゲー大切。スゲー好き。」


「ーーーっ!!!」



な、な、な、



何を言っているの、



この男はあぁぁぁーーー!!??