「だからっ!手伝ってくれてありがと!!って言ってるの!!!!」


と、今度は苛立つ気持ちも相俟って夜神を真っ直ぐ見てストレートにぶつけた!




な…なんか……、



お礼を言ってるのにこんな態度とって夜神に呆れられそう……。



あたしって、やっぱり可愛くない……。




すぐに後悔の波が押し寄せてきて、あたしは口を閉じてまた俯いた。




「…………………。」



あれ?


なんだかずっと黙っているけれど、どうしたのかな?


や、やっぱり気に障ったのかな…?



ということは、今度は謝らなければいけない…ってことになるよね……。



ややげんなりしてきたあたしは、そろりと隣の夜神を見やる…。



でも、急に視界が遮られた!




え………。



なに………。



最初何が起きたのか分からず戸惑うけれど、ムスクの香りが鼻腔をくすぐった瞬間、夜神に抱きしめられている事に気付く…!




「ヤベー!田畑さんに初めてお礼言われた!!スゲー嬉しいっ!!」


「ーーっ。」



無邪気な声とともに、満面の笑みがそこにあった。



そんな夜神を見たあたしは、なぜか胸が高鳴ってきてその笑顔から目がそらせない!




な、なんで?!



なんで夜神なんかにこんなドキドキしてるの?!




いつもとは違う夜神と、いつもとは違う自分の心の反応に驚いて狼狽えてしまい、



いつものようにすぐに反応が出来なかった。