なんでこんなに貰ったんだろう……。


それに他のみんなはまだ野菜刻んだり焼いたり作業しているのに、あたし一人で本当にいただいちゃって良いのかな……?


こんなに手厚くもてなされる憶えは無いんだけどな。



するとそんなあたしの様子を伺っていた夜神は、あたしからお肉を引っ込めると少し間を置いてから口を開いた。




「まあ、田畑さん頑張ってたもんね。誰よりも早く現地に来て何十kgもある炭を一人で運んでたり、野菜やお肉だって近くのスーパーへ行って箱で買いに行ってくれたり。あと家からクーラーボックスだって持ってきてくれたでしょ。」


「え?……でも、それって普通じゃない?」


「全然。田畑さんが普通のことでも、それが普通じゃない人も中にはいるんだよ。」


「でも、あたしが今回の親睦会押したようなもんだし!だから、ちゃんと責任は果たさないといけないじゃない!!」


「そうかもしれないけど。でも田畑さんが当たり前に動いてくれている事が、みんなからしてみればスゲー助かることだったんじゃない?」



「え………?助かっ…てたの??」



「ん。だと思うよ。」


夜神はそう言うとペットボトルのお茶を一口含む。



そして、



「だからその恩返しなんじゃないの?……良かったじゃん。みんな笑顔になれて。」



と、いつもは見せない穏やかな微笑みをその顔にのせた!