「瑠衣…。でも、ああいうのってほんとに困るよね！夜神の“好き”を本気にしちゃう女の子だっているかもしれないのにさ。」


「そうだね。でも、私は麻莉奈がうらやましいなぁ〜！」


「え？なんで？」


「だって相手はあの夜神昴だよ？一度でいいから、あんなイケメンに好きだって言われたいかな！ってね。」


と、瑠衣はやや頬を染めてうっとりと何やら想像している…。




「じょ、冗談言わないでよ！あんな心がこもってない告白なんて告白じゃないし、それを相手に言うなんて失礼すぎるってば！」



と、あたしはややムキになって夜神を肯定しだした瑠衣に反論してしまった。




だって…、




現に夜神に好きだと言われてるあたしは、好きと言われるたびになんだか虚しくなるから…。





すると瑠衣が少し慌てたように、でも目尻をやや下げながら謝ってきた。



「ごめんごめん！ただちょっと夢見ちゃっただけだから。でも麻莉奈は本当に真面目で偉いよね！だからこそ、緩い夜神のことを受け入れられないんだろうね。」




夜神を受け入れられない…。



そう心の中で反芻した時、なぜかズキッと胸が痛んだ！




？！



な、なんでこんな気持ちになってるんだろう？



戸惑いを隠すようにあたしは言葉を重ねる。