「私ね、きっとこれからも時代がどんどん進んでいったら無くなるものっていっぱいあると思うんだよね」

「まあ、そうですね」

「例えばさ、その君が腰につけてるやつとか」

先輩は歩く度にジャラジャラと音をたてていた俺の鍵を指さした。

「あー、確かに家の鍵とかは指紋認証とか網膜認証とかになっちゃったらいりませんもんね」