男子の唸り声がして、わたしは急いて顔の真上で彼を見つめる。


「わかる…?わたしが見える…!?」


その問いかけに答えるかのように、彼の目がゆっくりと開く。


「見える……。てか、そんな心配すんならもっと自分の命大事にしなよ…。」


小さくも強く彼の言葉が心に響く。


「痛っ…。」


頭を右手でおさえながら、上半身をゆっくりと起こした彼。


その手はさっきの力では想像出来なきほどに白く細かった。


「大丈夫……!?先生呼んでくる…!」


「この状況で呼んだら不自然だろ。いいよ、大丈夫だから。」