「玲愛、この後どうする?」

「私はお昼食べに行くよ、晴香も行く?」

そう言えばお弁当もないし、お昼まだだったっけ。

「いいね、行く!」

「アイツは置いて行っていいの?」

玲愛の指の先にいたのは、グラウンドを

無邪気な小学生のような表情で見つめる想太の姿。

「いいよいいよ、アイツ部活だし」

想太は中学からサッカー部で、高校も強豪で有名なこの学校にしたらしい。

始業式の後も部活だって言ってた気が。

さすが強豪校のサッカー部。

「はぁ〜、相変わらずのサッカー馬鹿」

「ははっ、たしかに。お昼どこ食べに行くー?」

「うーんとね、駅前のイタリアンとかよくない?」

「お、いいね〜」

本当はサッカーしてる想太を見たい気持ちもあるんだけど

なぜか試合以外はダメって言われてるんだよね。

あの想太でも試合だと緊張するのかな?

「あそこって勉強OKだっけ?来週さっそくテストだし復習したいんだけど…」

新学期早々最悪な結果を出したら

さすがに親にも怒られる。

校長先生は「帰宅部ならなおさら結果を残せ」なんて

厳しいこと言ってたしなぁ。

「本当に晴香って真面目だよね〜。新学期なんだしもう少しテンション上げて楽しもうよ!」

それもそうか。一生に一度の高校生活だしね。

「まぁ、今日くらいはいい…かな」

「よーし!じゃあお昼食べたらカラオケね!」

「えぇえぇ…」

これ絶対夜まで遊ぶパターンだ…。