新しい教室のドアを開けるともう既にいくつかグループができているようだった。

「うわぁ…早いなぁ……」

「あ、俺ら隣じゃん!しかも窓際だ!」

さすが自由人、全くお構い無しだ。

え?他に友達はいないのかって?

そりゃあ女友達だっているよ。

「またアンタら同じクラスなわけ?」

「あ、玲愛!そう、今年もあの自由人のお世話係」
「ははっ、相変わらずじゃん」

スカート丈を短くしながら笑うのは

小学生の頃からの親友、月島玲愛。

大雑把でガサツだけど、友達思いのいい子。

頭も良いし、頼りになる。

「ていうか玲愛、もう新しいクラスに馴染んだの?」

「まぁね、もう連絡先も交換したよ」

「早いね…」

玲愛は話し上手だし、今年もクラスの人気者になるんだろうなぁ。私とは正反対。

「はぁ…」

ため息をつきながら席につくと早速、想太が机に突っ伏していた。

「初日くらい起きてなさいよ」

「ん〜」

ダメだ、完全に聞いちゃいない。

想太は好きな教科である体育以外の授業は基本的に寝ている。

いくら起こしても起きないから先生達もお手上げ。

その割にテストじゃ私よりもいい点取るからズルい。

神様も不公平なことしてくれたよね。