ダイニングにつくと、咲空がもう母さんの手伝いをしていた。


「あ、こんにちは」

「こんにちは」


咲空は昨日すでに会ってるし、普通にいつも通り。
いつも通りなのここだけ。本当。


「あ、いらっしゃい」


落ち着いていたら、今度は後ろから声が聞こえてきて
俺らは一斉に振り返った。


「あ、父さんおかえり」

「ただいま。
…碧翔の彼女?」

「そう。荒木涼な」

「あ、荒木涼と申します…!
よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしく」


父さんは余計なことは言わず、涼すけに優しく笑って
母さんのもとへ向かった。


「か、っこいいー…」

「え?あぁ、父さん?」

「うん」


かっこいい、ねぇ?
まぁ父さんはわりと静かな方だし
母さんのこと好きですってめっちゃ伝わってくるし
父さんはかっこいいかもな。


「涼ちゃんはね、元々朝陽のファンだったんだよ」

「え、そうなのか」

「そうなんだよー。それを碧翔が奪ってったんだよー
ね、涼ちゃん」


・・・おい、母さんも兄貴も何言ってんだよ。
涼すけは元から俺のことが好きだったんだよ!!