ほんとに、直さなきゃって思ってるんだけど。




思ってるんだけど…。




「いっそのこと結衣って呼んじゃえば?



姉ちゃんの可愛い反応が見れるよ?」




咲久はニヤニヤと笑って、俺のことを見る。



俺は勉強の時だけつけるメガネを外して机に伏せた。




「無理…」



「あ、礼央くんって案外チキンだね」




意外というふうな声で笑う咲久。




「…ちきん」




すると白石は食べ物につられてのそりと起きた。



食べ物に対しての執着心がすごすぎる。




「あ、姉ちゃんおはよ」



「おはよ…ちきん」



「食べ物のことじゃないよ。礼央くんのこと」



「食べ物じゃないのか」



目をこすりながらポツリと呟く白石。



小動物感。



つまり、可愛い。




すると、白石はコテっと俺の方に倒れてきて、俺の肩におでこを当てて、そのまま、また寝てしまった。