「うん。いつでもいいよ。ラズベリーのやつがいいな」



「はいはい。お二人がいらっしゃる間に作れると思うわ」



「うん」




咲久はすれ違ったおばあさんに話しかけた。




襖を閉めると、咲久は未央の隣に座った。




「お前、未央の隣に当たり前のように座るのな」



「うん。だって、姉さんの隣は礼央くんでしょ?」




首を傾げて咲久は答える。



なんか、白石に似てるから調子狂うな…。




「まぁ、そうだな」



「じゃあブツブツ言わないでとっとと座って僕に勉強を教えてくださいな」




明らかに教えてもらう立場の言葉じゃない。



が、しかし、未央が睨んでるから、黙って白石の隣、咲久の正面に座った。




「で?何がわかんないんだよ」



「全部」




…だめだこいつ。




「前のテストねー、古典は良かったんだけど、現代文が漢字の10点だけで、数学が23点で、社会がね、19点」