なんで。



どうして。



俺があの白石結衣に負けた?



というか、全員が抜かされている。




去年の最後のテストでは一番のところには『二井礼央』と、俺の名前が書いてあったはずなのに。



俺は2番か…。




「あれ?礼央負けてるじゃん」




俺の肩に手を置いて後ろから話しかけてくる男。



眼鏡かけてて前髪の長い陰気な俺にいるたったひとりの友達、中嶋光瑠。




「こいつってあれだろ?髪青いやつだろ?あのー、バスケ部の女」



「あぁ、俺でも知ってる有名なやつだよ」



光瑠は俺のほっぺたをつねる。



「お前が知ってるんだからだいぶだよな。



今日の帰り、見に行こうぜ〜」




そう言って面白半分に笑う光瑠は俺のほっぺたから手を離して、俺の右を指差す。




光瑠が指をさした方向を見ると、青い髪の女がいろんなやつらに囲まれていて。



青い髪の女、白石はその中心でみんなに笑顔を向けている。