これはあんまり歩かせるとダメなやつか。
「なんか見たいのあるか?」
「えっ」
えってなんだよ。普通にきくだろ。
「ないの」
「いや、ないこともないけど…」
「けどなに」
「いや…一緒に回ってくれるんだな…って」
「は?」
「い、いや、二井くん、私のこと嫌いみたいだしっ、…2人になったら帰っちゃうのかと…」
少しだけ、焦ったようにわなわなしていたと思ったら、急に少しうつむいて、流れた髪を耳にかけて不安そうに声を小さくした。
少し上目遣いで、きっとここがモテるところなんだと思う、なんて、考えてみる。
「別に」
いつも通り、俺がそう言うと、白石は笑って「ペンギンが見たい」と言った。
白石のことが嫌いなわけじゃない。
ただ、なんとなく妬ましいだけだ。
俺なんかより頭が完璧に構成されているし、部活だって、なんだかんだ楽しそうにしているみたいだった。
だから、少しだけずるいと感じてしまっていたのだと思う。
「なんか見たいのあるか?」
「えっ」
えってなんだよ。普通にきくだろ。
「ないの」
「いや、ないこともないけど…」
「けどなに」
「いや…一緒に回ってくれるんだな…って」
「は?」
「い、いや、二井くん、私のこと嫌いみたいだしっ、…2人になったら帰っちゃうのかと…」
少しだけ、焦ったようにわなわなしていたと思ったら、急に少しうつむいて、流れた髪を耳にかけて不安そうに声を小さくした。
少し上目遣いで、きっとここがモテるところなんだと思う、なんて、考えてみる。
「別に」
いつも通り、俺がそう言うと、白石は笑って「ペンギンが見たい」と言った。
白石のことが嫌いなわけじゃない。
ただ、なんとなく妬ましいだけだ。
俺なんかより頭が完璧に構成されているし、部活だって、なんだかんだ楽しそうにしているみたいだった。
だから、少しだけずるいと感じてしまっていたのだと思う。