体育祭が終わって、テストも終わった。



白石に勝つために全力でした勉強も虚しく、今回も2位で終わってしまった。




結局、俺にはなにも残らないのか。




そんなことを思いながら、ただ、のんびりと駅までの道のりを歩いていた。





夏休みに入り、今日は光瑠と栞里のデートについていく、と言うあの日だった。




木に留まる蝉が騒がしい。




アスファルトの道は熱がこもって視界が揺らぐ。




なんで、よりにもよってこんなに暑い日に。




怠い。




駅に行くと服をチャラく着こなした光瑠と、ふんわりとしたスカートを履いた栞里。




そして、この暑さの中、ロングスカートを履いて長袖の上着を羽織る青髪の女が立っていた。





「…なんで、白石がいるわけ?」





家を出てから初めて出した声は、驚くほど気怠げでうんざりした声だった。





「光瑠くんが、礼央くんのことも誘ったって言ったから、もう1人女の子必要だなって思ったの」