「じゃあ、大丈夫」



「な、なにがっ」




白石の叫びなんか無視して俺は白石の膝の裏に腕を通す。




「ちょっ、なにっ!?」



「歩けねぇんだろ。黙って捕まってろ」



「〜っ」




白石は顔を赤くして俺の服を掴んだ。




まぁ、かわいい、か…。




白石を抱いたまま、2年テントまで歩く。




「迷惑かけて、ごめんなさい…」




俺の腕の中で、弱々しく呟いた白石は、いつだったかに出会った誰かに似ている気がした。




なんだか、懐かしい。




「別に。仕事だから」




俺は何も思っていないふりをして、ただ、素っ気なく返した。





「う、うん。ありがと…」





青い髪がさらさらと揺れる。




「結衣ちゃーーんっ!」



「栞里っ!」



「大丈夫!?足腫れてるじゃん!もう!無茶は良くないって言ったのにっ」




突然現れた女はぷっくりと頬を膨らませている。