あー、うん。俺には何も見えないかな。



うん。



ことが起こってしまったなんて知らないな。





…こんなところでするなよ。




それから、10分ほどしてけが人が運ばれてきた。




青髪の女…。



白石だ。




「あ〜二井くんじゃん!保健委員なんだね〜」



「…どこ怪我してんだよ」



「足ひねったの〜」




白石が指した右足首をみると、少し腫れ上がっていた。




「豪快にこけたもんだな」



「そうなんだよね〜、久しぶりに本気で走って障害物競走したら網に引っかかってこけちゃってさ〜」




今日はやけにテンションが高いな。



俺は喋り続ける白石を無視して、足を処置していく。




「…こんだけ腫れてたら、しばらくバスケできねぇんじゃね?」




そう言って白石の顔を見上げると、驚いて目を見開いた。




「…っ、…そ、かな?」



「あぁ、体育祭終わったら病院でも行ってこい。多分、まだ治るから」



「…うん」