並木道を抜けた。



図書館が見える。




「あ、私図書館よるから。お話ししてくれてありがとう。



じゃあね」




そう言って白石は俺に向かって手を振ると図書館の入り口まで走っていった。



少し風が吹く。



少しだけ、懐かしい匂いがした。




外に出て、あいつと喋ってたら意味ないよな。ほんとに。



俺も勉強しなきゃ。



あいつになんか負けてられねぇ。



そんなことを思って着た道を引き返す。



運動神経も良くて頭もいいやつだなんて、認めてやらねぇ。



次は絶対勝つ。



そんなことを思いつつまた、並木道を歩いた。