* * *



現在、朝の4時。



結衣の勉強に付き合い始めて早2時間。



と、言っても、俺は結衣のベットで眠気と戦いながら意識を保っているだけ。



2時間前、楽しく枕投げをしていた俺に言いたい。



暴れるな。後に響く。



もう眠たくて仕方ない。



黙ってないと、結衣の邪魔することになるし、だからといって話してないと、寝てしまう。



結衣は机のライトをつけて、部屋の電気はつけてないし、俺ほんとに寝そう。




「礼央くん、眠たかったら横になっていいよ?」




結衣が俺を振り返る。




「…大丈夫」




昼間あんなに可愛く見えていた結衣が、今は悪魔にも見える。




「ごめんね?ほんとに。癖だから…」




結衣は困り顔で微笑む。




「いい癖ではねぇな」



「うん」




結衣は少しうつむいた。




「お父さんの暴力のせいでね、あんまり、昼間に勉強できなかったから。



寝るのは図書館でしてたし…」