先生にそんなツテがあるとは知らなかったが、このシュークリームは私も大好きなので食べたい。

応援にも力が入る。

「日菜子!蒼くん!要くん!頑張って!!」

私の声が届いたのか三人が振り返って、ニッコリ笑って手を振り返してくれた。

その、要くんの珍しい笑顔に周りが大きな悲鳴をあげる。

「松島先輩がすっごい笑顔!!」
「かっこ可愛いんですけど!!」
「いやー、もうたまんなーい!」

これを聞いた茜は、ため息ついて私に言った。

「有紗、目立ったよ。あんたこれから大変になるかも……」

それに、キョトンと首をかしげてしまう。
なにが大変になるの?

「うん。分かってないよね。ま、日菜子も日々近くにいるし大丈夫だろうけど、何かあったら言うのよ?」

心配気に言われればうなずくしかなく、私はなんの事かわからぬままに答えた。

「うん、わかった」

目の前では第一走者が並び、準備が整ったらしくスターターの先生が耳を抑えつつピストルを掲げている。

「位置について、よーい……」

パーン!!

さすが、最後のリレーに選ばれるメンバーだけありどの子もとても早い。

赤と黄色と青でかなりのデットヒートを繰り広げ、下の学年から次々に走り、最後は三年生が三組走る。