棒引きが終われば男子全員参加の騎馬戦だ。

グラウンドは囲むように女子が応援に入っている。
大半の女子の目当ては蒼くんと要くんだろう。

一回戦目の青対黄色は多少の声が上がるものの静かだったから。

二回戦目の白対赤では、一気に女子のキャーキャー叫ぶ声が上がる。
要くんと蒼くんが騎馬戦で上に乗っているのが見えた女子達のテンションが一気に上がったようだ。
さすが、校内で人気のふたり。
応援する女子のテンションはヒートアップの一途だ。

この試合で騎馬と息を合わせてふたりはどんどん相手のはちまきを取っていき、赤組が勝った。

その結果にもキャーキャーと黄色い叫び声が上がるので、茜は辟易とした顔で言った。

「校内で人気のふたりだもんね。こりゃ苦労するね、日菜子……」

茜の声掛けに、日菜子もちょっと複雑な顔をしつつ、うなずいて言った。

「たまに、イイ感じに突っかかってくるのもいるからね……。体育祭後は面倒だよ……」
「大変ね」

私も溜息をつきつつ、日菜子の背中をポンポンと軽く叩いたのだった。

総当たり戦のため、まず先に一回戦目負けた方がまた試合をし、次は勝った方。

赤対黄色の試合もまた女子のテンションを上げに上げて、接戦の末に赤組が勝って、またもや大きな叫びが上がったのだった。