午後の競技は女子全員参加の棒引き。
日菜子も茜も行ったので、私は蒼くん、要くんと見守っていた。
中央に置かれた奇数の竹の棒を取り合い、多く取ったほうの勝ち。
単純だがなかなか見ていて楽しい競技だ。

一回戦目は、なんと日菜子ひとりでスタートダッシュで一本運んでいたのだ。

「日菜子、すごい……」

私の言葉にふたりもうなずきつつ言う。

「これ、実に日菜っちらしいよね」
「確かに。あれは人が少なそうなところを見越してダッシュで稼いだな」

瞬時の判断と行動力と機動力がものをいうという事か……。
確かに、テニスが好きな日菜子らしい動きだ。

そんな日菜子の活躍もあり 一回戦目は赤の勝ち。

二回戦目は白対黄色。
黄色が勝って、次は青対白だ。
そこは白が勝ち。
黄色対赤は、またも日菜子のひとりで一本スタートダッシュがあり、更にすぐ様人数の少ない所に日菜子が戻り二本目確保。
三本目の途中で笛が鳴り試合終了。

またしてもうちの赤組が買っている。

その後、白と赤でやる。
すると、見ていた白組応援は日菜子の正面の所に数人来ていた。
それに気づいていた日菜子はスタートダッシュの目的位置を変えてまたしても成功していた。

「本当に日菜子ってすごいね」
「ここまで来ると日菜っちの才能を感じるね」
「負けず嫌いだからな……」

そんなこんなで赤組は全勝してこの競技で一位を獲得した。