「ふたりともお疲れ様。お昼にしよう」

そう誘うとふたりも靴を脱いでレジャーシートに座る。
私は日菜子、茜、蒼くん、要くんに取り皿とお箸を置くと大きい二段の重箱を開けた。

「わ!すっごい豪華!」

開けたお弁当を見て日菜子が声を上げる。
運動会の定番と言える物を詰めてきた。
お弁当の下の段には鮭、ツナマヨ、おかかの3種類のおにぎり。
上段にはおかずで、唐揚げ、だし巻き玉子、たこさんウィンナー、アスパラのベーコン巻き、プチトマト、ハッシュドポテトを詰めてある。
さらにデザートにココアとチョコチップのマフィンを用意してきた。

「そんなに凝ったものじゃなくて申し訳ないけれど、召し上がれ」

声をかけると、みんなでいただきますと手を合わせて食べ始めた。

「うっま!有紗ちゃん料理上手だね!」

唐揚げを頬張った蒼くんは声を上げる。

「このだし巻き玉子の味付け、好き。美味しい」

そんな感想を呟いたのは要くん。

「アスパラのベーコン巻きも美味しい!てかみんな美味しい!有紗、結婚して!」

テンション高くして、言うのは日菜子だ。

茜も黙々と食べてくれてる。
そんなみんなの様子を見て、私も嬉しくて自然と笑みを浮かべながら楽しくご飯を食べた。

「はい、デザートのマフィンだよ」

まさかのデザートの登場にみんなを驚かせつつ、私たちは和やかに過ごしたのだった。