差し入れのソーダーのフルーツポンチは大好評で、高校生男子の胃袋にごっそりと持っていかれた。
余るかな?なんて予測はハッキリ間違いな感じで、あっという間に消えていったのだった。
そして、週末の今日は地元の夏祭り。
花火も上がる大きなお祭りは、ある時間から海岸沿いの道を歩行者天国にして両脇に多くの出店が並ぶ。
地域一のお祭りだ。
そこの近くのスーパーで待ち合わせ。
私と日菜子は私の家で浴衣に着替えた。
たまたま休みで居たお姉ちゃんが私と日菜子に軽くメイクをして、髪までセットしてくれた。
美容部員のお姉ちゃんは手先が器用で、ナチュラルな感じなのに、顔がいつもと違うのだ。
恐るべし、メイクテクニック。
褒めたら、ひと言返ってきた。
「だって、それがお仕事よ!」
そんな弾んだテンション高きお姉ちゃんは、お母さんと手分けしつつ、しっかり浴衣まで着せてくれたのだった。
待ち合わせ場所まで歩く中、キラキラとした目で元気に日菜子が言う。
「有紗のお姉ちゃん、すご腕の美容部員っぽいね!器用だし、優しいし!あんなお姉ちゃん羨ましい!」
「あぁ、確か去年社内の売り上げ上位者研修でヨーロッパ研修行ってたよ」
お姉ちゃんの仕事を直に見ていないから、なんとも言えないけれど、社交的で物怖じせず気遣いの出来るお姉ちゃんは確かに接客業向きの性格なのだ。