そこに、急に黄色い声が混じる。
「やった!松島くんと水木くんと同じクラス!!」
「もはや自慢にしかなんない!」
「ビバ!イケメン!」
等などの女子特有のお声が聞こえたので、教室ど真ん中付近にいた私と日菜子は教室後ろのドアを振り返った。
そこには背が高い男子二人が居た。
一人は明るい髪で弾けそうな笑顔で楽しそうにしている。
もう一人は少しつまらなそうにしている顔がなんだか少し可愛いと思って、ついクスッと笑ってしまった。
「げっ、男子に誰がいるか見てなかった……。まさか要と同じクラスなんて……」
「ん?日菜子何か問題でも?」
そう聞くと、日菜子は抱えていた頭をガバッと起こすと私の両手を握ってクワっと目を見開いて言う。
「あの、明るい髪で笑顔の男子は、女子に学年で一番人気の水木蒼くん。サッカー部の部長でゴールキーパーで高身長で人当たりもいいから、かなりの女子が熱を入れてるわ」
「へー、確かに。顔良し、人当たり良しなら人気あるんだろうね」
私のあっさりした返しに、日菜子は少し驚きつつも続きを話してくれる。