その後はファストファッションのお店を覗いて見たり、駅ビルのゲーセンに行って遊んだりするとあっという間に時間が過ぎる。

疲れた私に気づいてお茶することにしてドーナツ屋さんに来た。
私はドーナツふたつとカフェオレ。
要くんはドーナツひとつとコーヒー。

ここはカフェオレとコーヒーはおかわり自由なので、少しゆっくりするつもりだ。
おやつの時間には少し早めだからかまだお店は混んでいない。

ゆっくりドーナツを味わいつつ温かいカフェオレを飲んで落ち着いてきた。

そろそろ、話す頃合いだろうか。
いい雰囲気で過ごしてきたのに、壊すような話していいの?
でも話さないままではいられないよね……。

私は意を決すると、ドーナツを食べ終わったタイミングで口を開いた。

「要くん。私、要くんに話さなきゃいけないことがある」

真剣に切り出した私に、要くんも表情を変えて聞く体勢になってくれた。

「有紗、なに?」

ゴクッと喉を鳴らして私は話し始めた。

「あのね、私には病気があって。それで体育は免除されてるのだけれど。その病気でね、私はもうすぐ目が見えなくなるの……」

話しながら、どんな反応が返ってくるか怖くて顔を俯けてしまう。
そんな私に要くんは聞いてきた。

「それは、有紗がこれから大変になるってことだな。ただ、目が見えなくなっても有紗は有紗だよ。俺が好きなことに変わりはないよ」

その言葉に、優しい声に顔をあげれば要くんは真剣な目をしていた。