ゴールデンウィークも開けた頃、そろそろ中間テストの時期になる。
その頃には私達四人はクラスで一緒に居ることが当たり前になり、互いの事は名前で呼び合う仲になっていた。
テスト週間になり部活がお休みになると、三人は深いため息をついた。
「あぁ、勉強漬けの一週間って地獄かよ…」
いつもは明るい蒼くんは、テスト期間に入り憂鬱そうな顔。
「ねぇ。中間なのに範囲広くない?広いよね?」
とテスト範囲にボヤく日菜子。
「やるしかねぇ、赤点とったら二週間部活出来ないとか生きて行けない……」
必死さが滲むのは要くん。
「みんな、大変ね……」
私は部活命な三人に同情をしつつ、帰り支度。
そんな私を三人が驚きながら見つめてくるので何だ?と思いつつ首を傾げると、蒼くんが不思議そうに聞いてくる。
「有紗ちゃん、何でそんなに余裕なの?慌てない?テスト前!」
蒼くんが声高く言えば、日菜子が口を開く。
「そう言えば、昨年自分が必死だったからあまり気付かなかったけど。有紗はテスト期間に慌てたりしてた記憶があまり無いわ……」
呟くように言う日菜子の言葉に、蒼くんと要くんが驚きつつ私を振り返る。
そんな私たちのやり取りを見ていた三浦先生が、クスクス笑いながら言ってしまった。