「汐月さん。蒼も日菜子も騒がしいけど、よろしく」


そう締めくくるように言ってくれた松島くんは、私が初めて見る柔らかく優しい顔をしていた。

「うん。今年一年よろしく」


私が笑顔で返せば、三人もニコッと笑ってくれた。

この新たな出会いが、私にとってかけがえのないものになる。

そんな予感を胸に秘めつつ……


開けられた教室の窓からヒラリ、一枚花びらが舞い込んできた。


私にとっては、カウントダウンでもある一年が始まった。


不思議とこの時、私はいつも感じる不安な気持ちにはならなかったのだった。