びっくりした。
起きてきたかと思うといきなり体調の心配をしながら脈を確かめようとする。
昔父がよく母にしていたのと同じ動きに驚きつつも、いきなり手を取られたことにちょっとムッときて下から睨んだら、途端に焦ったように視線を外されてしまった。

気を悪くしたかな?
と言うか高嶺さん仕事行かなくていいのかな?
気になって聞いてみたら、今日は休みだという。
良かった。
毎日忙しそうで心配だったからゆっくり休んで欲しいなぁ~そう思った直後にその言葉は爆弾みたいに私の耳に飛び込んできた!
「体調が良いなら出かけるか?」

え?出かける?
それって高嶺さんと私が?

出かけるってどこに?

って言うか……これはデート?
デートのお誘いなの??

そう思ったとたんにカッと頬が熱くなる。

もしこれがデートなら……初だよね?
もてる高嶺さんなら経験豊富でなんでもないことだろうけど……
私には人生初!初めてのデート!?

そう理解したらますます頭が沸騰したみたい……。

「どうする?行くなら早くメシ食べようぜ?」

意地悪に茶化すように笑う高嶺さんを直視できないままで小さく頷く。

私は真っ赤になったまま味のわからなくなった朝食をモソモソと食べたのだった。