その夜は何事もなかったように二人で夕食を食べた。
高嶺さんがさばの味噌煮を喜んでくれて2杯もごはんをおかわりしてくれたので、私も嬉しかった。
高嶺さんはお魚好きなのかな?
そう思ったけど聞けなかった……。

「あ!明日は俺夕方からだから夜は病院泊まりだから居ないからな?夕食はひとりでもちゃんと食えよ?」
「そう…ですか。わかりました。じゃぁ朝は起こさないほうが良いですか?」
「いや、朝メシはちゃんと食べるからいつも通りでいい。」
素っ気なくそう言った高嶺さんの言葉に夜はダメだけど朝ごはんは一緒に食べれるんだなぁとほっとした自分がいてびっくりした。
私……さみしいの?高嶺さんが居ないのが?
ずっとひとりで暮らしていて慣れていたはずなのに?
ほんの数日で高嶺さんがいない夜を不安に思うなんて……なんで?

「どうした?何か暗い顔してんな?もしかして俺が居なくてさみしいとかか?」

高嶺さんにまたからかわれる。
ニヤリと笑った顔をキッと睨み返して否定した。

高嶺さんはふ~ん?と何か言いたげに私を見たけど、私はあわててお皿を手に席を立って高嶺さんに背を向けた。
高嶺さんはそれ以上は何も言わなかった。

お風呂を済ませて部屋に戻ってベッドにダイブしてから、ネコの時計についてを聞き損ねたことに気がついた。
まぁいつでも聞けるし……。
けど?あれが誰か女性からの贈り物だったら?

……なんか…それは嫌かも?

自分はこんなに心が狭かったっけ?

胸に沸き上がったもやもやにまた不安にる。
それが何なのかわからなくて布団をかぶって寝ることにした。
疲れていた私はすぐに睡魔に飲み込まれていった。