ブサイクだって自覚はあるから、自分なりに可愛くなれる努力はやってる。



放っておけば毛虫のようになる太い眉は、細く整えて。

セミロングの黒髪は、毎朝ヘアアイロンでさらさらのストレートに。

ローズの香りのヘアフレグランスだってつけていた。



ダイエットもしてた。

太っているわけではないけれど、太ももをもっと細く見せたかったから。



背も低ければ足も短い私だけど、足が細くなれば短くてもすらっとして見えると思ったから。



山岸くんの視界に、ちょっとでも映りたかったから。

可愛いって、思われたかったから。



だけどね。



もう、こんなに辛い思いをするのなら私は一生恋なんてしない。



強く、そう誓った。