「私は可愛くなんてないです」 女の子なんて選びたい放題だろうに。 そんな早瀬くんが、なんでわざわざ私なんか? 早瀬くんの周りには、私より可愛い女の子がたくさんいるでしょ。 「可愛いよ」 片手で頬杖をつきながら、また笑いかけてくる。 ……なんで私、ドキッとしてしまうんだ。 こんなふうに男の子に笑いかけられたこと、今まで生きてきて1度もないからだ。 優しい眼差しで見つめられたことだって、1度もないからだ。