「あ……おはようございます…」



早瀬くんが早くから登校してくるだなんて珍しい。

いつも遅刻ギリギリで、慌てて教室に駆けこんでくるのに。



「どうしたんですか…?今朝はすごく早いですね?」

「だって満瑠に早く会いたかったし」

「……へ?」

「おっ、顔が赤くなった。満瑠は今日も可愛いなぁ?」

「……もうっ!毎度毎度からかうのはやめてください!」



頭にぽん、とのせられた手を弾く。



早瀬くんはチャラい。

「可愛い」って言われたり、頭を撫でられたりするのはもう何回目?

10日まえの入学式ではじめて顔を合わせたけど、すでにもう数えきれないほどだ。