「お前、ハナにもう絡むなよ」




俺は矢代を鋭く睨んだ。




「なんだよ。付き合ってねえんだろ?
なんでお前にそんな事
言われなきゃなんねえんだよ。
彼氏でもねえのに彼氏ヅラすんなよ。」



「これから俺のもんになんだよ。
ハナの事何も知らねえくせに
出しゃばんなよ。」





俺と矢代は冷静だった。





「大体デート断ったくらいで
水かけるようなお前なんか
ハナが相手にするわけねえだろ。」



矢代は俺を振りほどき、
ハナの方に向かう。



「山中〜今から俺とどっか行こ〜ぜ
こんな女たらしな奴より
俺のがお前をもっと楽しませられるよ?」




矢代がハナの肩に手を回す。



ハナは下を向いたままだ。






「矢代。ハナを返して。」





矢代はこちらを全く見ない。
ハナにベタベタ触る。






「ハナを返せっつってんだよ!」






とうとう俺はブチ切れた。
声を張り上げると、矢代は
舌打ちをして仲間と去って行った。