俺とハナは家を出て
図書室に向かった。
学校の門をくぐると、
四人くらいの男がこっちに向かってくる。
「あれ?広瀬先輩じゃないっすか〜」
2年のサッカー部の矢代圭介だ。
「なんだよ。」
チャラチャラした雰囲気と
話し方、服装がなんとも言えない。
俺の嫌いなタイプだ。
「広瀬先輩って
山中と付き合ってんすか〜?
ファンが泣いちゃいますよ〜」
「うるせえよ。お前には関係ないだろ。」
「やっぱ怖いっすね〜相変わらず」
ケラケラ笑いながら俺に
馴れ馴れしく話して来る。
「山中〜俺とはいつ
デートしてくれんの〜?」
馴れ馴れしくハナにも絡む矢代。
ハナは俺の後ろに隠れて
震えている。
「今度は水かけねえからさ〜」
俺はハナに水をかけた犯人が
矢代だと分かった瞬間、
矢代の胸ぐらを掴んでいた。