「そっか。」


まぁ、色々あるんだろうな。
そう思った。

だからそれ以上は聞かなかった。




「…連れてって欲しい?」


「…!」


ハナは喜んだ子犬のように
俺を見ている。


「じゃあ〜、俺の事名前で呼んでみて」



ハナに名前で呼ばれた事がない。



「………。」



「ほら、早く」



ハナの真正面に座る。
ハナは下を向いたままだ。


「優って可愛く言ってみて」


ハナの顔をぐいっとこちらに向ける



「…!?」



ハナの涙目に、真っ赤な顔に
無性にドキッとした。