入院してから2ヶ月。
雷都「蓮兄、ここわかんない」
『ん?あーここはな、この公式を使って解けば答えが出る』
雷都「えーと、ここをこうして、こうだから、
あ!できた!」
『雷都は少し教えるだけで分かるから楽でいいわ』
雷都「楽じゃない人も居るのか?」
『お前が知ってる人で言うと、光輝とかだな』
雷都「光輝は馬鹿だから大変だろうね」
『アイツは大変だ』
五月「そう言えば、蓮は学校の勉強しなくていいの?」
『毎日担任が持ってくるけど、一時間で終わるから大丈夫』
雷都「蓮兄って本当に頭良いよな」
五月「そう言えば、蓮は、医者になりたいんだっけ?」
『ああ、美桜に会うまで何も考えてなかったけど、
美桜と出会って、医者になりたいと思った』
雷都「俺は、免疫不全で入退院を繰り返してるし、
なかなか夢を見つけられないな」
五月「俺もさ、体が弱く無ければって、毎日思うよ」
『俺だって、喘息さえ無ければ、もっと美桜に付いていてやれるんだ』
雷都「神様って、本当に居るのかな?」
『雷都?』
雷都「神様は平等だって言うけど、俺たちみたいなやつが居るし、本当に居るのかな?俺が神様だったら、
俺たちみたいなやつを出さないのに」
五月「雷都、神様が居るか居ないかは分からない、でも、こうして生きているんだから、いいじゃん」
雷都「そうだね」
『俺、少し寝るわ』
五月「蓮、顔色悪いけど大丈夫?」
『頭痛い、気持ち悪い、息苦しい』
雷都「心臓の鼓動が早いとかある?」
『早いと思う・・』
五月「雷都、ナースコール」
雷都「うん!」
プルプル
看護師「はーい、どうたー?」
雷都「如月院長居ますか?」
看護師「如月先生~、息子さんからでーす」
父「了解ー」
看護師から父さんに代わった。
父「どうした?」
五月「蓮の様子がおかしいんだ、頭痛、吐き気、息苦しさ、それに鼓動が早いって言うんだ、すぐに来てほしい、あと念のため、岩崎先生にも来てもらって!」
父「わかった!待ってろ!」
ナースコールから2分、父さんと岩崎先生が到着。