「……でも少なくとも瞳は、お父さんに逆らえないとかそういう事情じゃないわ」


瞳の家の事情を私はあまり知らないけれど、確かお兄さんもお姉さんもいて、基本的に瞳はあまり家の柵はないはず。

それと、スミレにはなにか思い当たることがあるようだ。



「真莉亜! 時が来たわ! 今こそスミレの真の力を発揮するときね!」

「え、急になに!?」

「いつでも出動準備をしておいてね! そうと決まれば、ちょっといろいろと準備してくるわ!!」

「準備ってなに!?」


まったくなんの話なのかわからないけれど、スミレはひとりで話を進めると、第二茶道室から勢いよく出て行った。



スミレさん……いったいなにをする気なの?